2012年12月23日
イラガとイラガイツツバセイボウとヤドリバエ

前記事イラガは羽化したけどイラガイツツバセイボウは。
イラガが羽化した後、残りの繭の羽化を待った。
産卵痕のある繭からイラガイツツバセイボウが羽化することを期待しつつ・・・
しかし変化無く夏を越した。
野外で産卵痕のある古い繭を調べたときは何者かが中身を平らげたように空だった。
自宅に残る繭もきっと同様だと思っていた。

期待せずにセイボウの産卵痕のある繭を・・・
慎重にハサミで開けてみると・・・空ではなかった。
何かの羽化失敗個体。
どう見てもイラガイツツバセイボウではない。
顔付きも体毛の生え具合も蛹の殻も・・・ハエ

ヤドリバエっていう寄生バエの仲間らしい。
イラガに寄生する種はイラムシヤドリバエと他にもあって、種を同定するのは困難らしい。
どうしてイラガイツツバセイボウの産卵痕のある繭にヤドリバエの羽化失敗個体が入っていたのか?
繭の産卵痕はイラガイツツバセイボウの物で間違いないであろう。
ヤドリバエは硬い繭に穴を開けるような産卵管も大顎も持っていない。
恐らくは繭を作る直前か最中の終齢幼虫に産卵しているはず。
ヤドリバエに寄生されたイラムシが繭を作った後にイラガイツツバセイボウが産卵してしまったということか。
節足動物の脱皮の失敗はよくある事なのだが、ヤドリバエの羽化失敗はセイボウの干渉を受けたからかも知れない。
この辺りの本当の理由は実際に観察してみるしかない。

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クリスマスなのにハエだって!
良いんです

昨年にイラガの繭を採取してヤドリバエには会えた。
しかしイラガイツツバセイボウも見られず、空の繭の謎解きもできなかった。
で、今年も採取を試みているのだが、イラガの繭がほとんど見られない。
イラガの繭がゼロではないのだが、とても少ない。
落葉した樹木を100本以上は探して得られた繭は、今のところ1個で産卵痕も無し。
イラガイツツバセイボウの実物との出会いは今年もお預けかも。
Posted by like a stream at 23:54│Comments(4)
│イラガとイラガイツツバセイボウ
この記事へのコメント
こんばんは。
先日、地元紙(東京新聞) に、中国から来た外来種のヤドリバエ?の
せいでミノムシが激減しているという記事がありました。
今年のイラガの繭が少ないのも、外来種による生体系バランスの崩れ…
と、してしまうのは、素人の早とちりでしょうか?
的外れだったら、すいません。(汗)
先日、地元紙(東京新聞) に、中国から来た外来種のヤドリバエ?の
せいでミノムシが激減しているという記事がありました。
今年のイラガの繭が少ないのも、外来種による生体系バランスの崩れ…
と、してしまうのは、素人の早とちりでしょうか?
的外れだったら、すいません。(汗)
Posted by jbopper at 2012年12月25日 19:52
jbopperさん、ようこそ。
ミノムシを見かけることは少なくなりましたね。
イラガイツツバセイボウは、宿主を激減させるほどの高い寄生率を記録した観察結果が見られます。
>外来種による生体系バランスの崩れ…
は事実でしょう。
ただ人間は自然を利用して生きているので、人間にとってこの場合のバランスの崩れの結果が良いのか悪いのか・・・農薬の使用を少しでも抑える効果があるので良いとも言えます。
ミノムシを見かけることは少なくなりましたね。
イラガイツツバセイボウは、宿主を激減させるほどの高い寄生率を記録した観察結果が見られます。
>外来種による生体系バランスの崩れ…
は事実でしょう。
ただ人間は自然を利用して生きているので、人間にとってこの場合のバランスの崩れの結果が良いのか悪いのか・・・農薬の使用を少しでも抑える効果があるので良いとも言えます。
Posted by release-windknot at 2012年12月26日 21:55
こんばんは
話の横やりですが。。
こちら(一応都内)ではミノムシが沢山います。
なんだか、色々な要素が関係していそうですよね。
イラガは現物を見た事が無いのです。
タナゴ釣りには最高の餌との事ですが・・。
話の横やりですが。。
こちら(一応都内)ではミノムシが沢山います。
なんだか、色々な要素が関係していそうですよね。
イラガは現物を見た事が無いのです。
タナゴ釣りには最高の餌との事ですが・・。
Posted by siroyamasakura at 2012年12月29日 19:37
siroyamasakuraさん、ようこそ。
ミノムシは50種類ほどいるらしくて、オオミノガが減っているそうです。
空いた穴を別種のミノガが埋めたのかもしれません。
または宿主と寄生バエの増減の周期かも。
関東ではタナゴ釣りの餌としてイラガの繭が売られていたようですね。
今でも使っている人がいるのかどうか?
ミノムシは50種類ほどいるらしくて、オオミノガが減っているそうです。
空いた穴を別種のミノガが埋めたのかもしれません。
または宿主と寄生バエの増減の周期かも。
関東ではタナゴ釣りの餌としてイラガの繭が売られていたようですね。
今でも使っている人がいるのかどうか?
Posted by release-windknot at 2012年12月30日 23:57
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