フローティングニンフに行っちゃった時 2

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2010年04月07日 07:16

 魚がフローティングニンフと水面のライトパターンを嫌ってしまう状態です。
あるいは魚が水面に干渉する前のイマージャーばかりを好む状態かも知れません。

 の、続きです。

 この状態の最も印象深い思い出が釣り日記に残っています。
日付は2000年4月19日。

 場所はカリモク堰堤上のプール。
注:堰堤上下は4月から禁漁を示す旗の区間が禁漁区域になります。

 今と違って流れ込みには良い石が沢山入った瀬がありました。
瀬の波が終わった辺りのプールの真ん中で昼にアカマダラがハッチし始め複数のライズが。
この年はこのプールは余りライズが無くて、ほとんど釣人は入っていませんでした。

魚もスレていないはず。ラッキー!

 はやる心を抑えて、対岸(左岸)へ回り込んでライズ地点まで近付きました。
しかしダンを食うライズはすぐに終わってしまう。
ハッチがますます増えてきたところでディンプルライズに変わってしまいました。
フローティングニンフに反応しても真下で反転してしまう。
スレていないはずなのに。

 今でも稀に見るのですが、水面にカゲロウの翅の花が咲いた瞬間に水面下でギラっとする奴。
本物なんだから食っても良さそうなのに。
遮蔽物の乏しい開けた環境が水面上に頭を出すことを嫌わせているように思えました。

 しかしフローティングニンフを何とか食わせなきゃならん。
フライの水面上の異物の印象を何段階か少なくしてトライしたことを覚えています。
そして最後には水面の干渉を完全に取っ払ってやっと釣る事ができました。

 その当時はライトパターンなんて言葉は知りませんでした。
けど「なるほど、そういうことか」
って、勝手に納得しました。

 魚がフローティングニンフと水面のライトパターンを嫌ってしまう。
あるいは魚が水面に干渉する前のイマージャーばかりを好む状態が発生する時がある。
その時の対処としては水面に干渉しないニンフを水面直下に流す。
ただごまかしの効かないフラットな流れで、小さなニンフで水面直下をキープしつつナチュラルに流すのは難しいんですよね。
フライが無駄に動いてしまったり沈みすぎてしまったりします。


  2002年4月号のフライフィッシャー誌の30頁の記事です。
 フライフィッシャー誌も溜まりすぎて随分処分してしまった。
 でもこの号は処分せずに残して有りました。
 それでも書庫からこの頁を探すのに時間が掛かってしまいました。

  タイヤーは杉坂研治氏。
 フライの名称はバンドルウィングイマージャーって言います。
 CDCの根元を1ミリほどスレッドで絞り込んで水面との干渉を抑えたパターン。



  見た瞬間、ひょっとしたら?って思いました。
 写真はすぐに自宅で巻いた1本。
 雑誌の見本の通りにウィングの先端をまとめてありましたがほどけています。
 胸のもじゃもじゃは「いらん」と思って付けませんでした。

 
  このフライを試す機会がやがて訪れました。
 魚がフローティングニンフに行ってしまった。
 並みのフローティングニンフで何となく出が悪いと感じた状況。
 その時にボックスのこの1本を思い出しました。

  結果は良好でした。
 魚が違和感無く喰って来た様子を記憶しております。
 ただ釣り日記をざっと見たがどの日だったのか特定できない。
 飛ばして書いてある日も多くて、もうちょい過程やら結果をきっちり書いておけばよかったな~と。
 CDCの根元1ミリを絞り込む発想、改めて「なるほどな~!」って思った日でした。
 ちなみに氏のミッジピューパを2001年のFF誌で見たら同じ処理がされておりました。

  2000年4月19日のアカマダラでの体験の時にこのフライがあったらどうだったのか。
 同じ状況に会えないのでなんとも言えません。
 でもフローティングニンフに困った時の抑えの1本としてあったらどうかなと思えます。


    
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 バンドルウィングイマージャー。
検索を掛けても1件もヒットしない。
それどころか杉坂研治氏のホームページにもさっぱり出ていない。
すでに廃盤で新しいバージョンや違う名称で出ているのだろうか。

 フローティングニンフの水面の違和感を嫌ってしまう状況。
魚に選択の余地があるほど次々とニンフが供給されて、魚もスプーキーでなければならない。
そんなに出くわさないので対象化される機会のないフライなのかも。


 アカマダラカゲロウのスーパーハッチ、根尾川ではさっぱり見なくなりました。
コカゲロウが少なくなってからも4月末頃まで、時には多く出て楽しませてくれる種でした。
朝に岸沿いの樹木の下でスピナーが落ちて、大きなシラメが拾い食いするシーンもありました。
近年はアカマダラ系フライの出番がさっぱりありません。

 

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