イラガとイラガイツツバセイボウとヤドリバエ

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2012年12月23日 23:54


 前記事イラガは羽化したけどイラガイツツバセイボウは

 イラガが羽化した後、残りの繭の羽化を待った。
産卵痕のある繭からイラガイツツバセイボウが羽化することを期待しつつ・・・
しかし変化無く夏を越した。

 野外で産卵痕のある古い繭を調べたときは何者かが中身を平らげたように空だった。
自宅に残る繭もきっと同様だと思っていた。

 期待せずにセイボウの産卵痕のある繭を・・・
慎重にハサミで開けてみると・・・空ではなかった。
何かの羽化失敗個体。
どう見てもイラガイツツバセイボウではない。
顔付きも体毛の生え具合も蛹の殻も・・・ハエ。
 ヤドリバエっていう寄生バエの仲間らしい。
イラガに寄生する種はイラムシヤドリバエと他にもあって、種を同定するのは困難らしい。

 どうしてイラガイツツバセイボウの産卵痕のある繭にヤドリバエの羽化失敗個体が入っていたのか?

 繭の産卵痕はイラガイツツバセイボウの物で間違いないであろう。
ヤドリバエは硬い繭に穴を開けるような産卵管も大顎も持っていない。
恐らくは繭を作る直前か最中の終齢幼虫に産卵しているはず。

 ヤドリバエに寄生されたイラムシが繭を作った後にイラガイツツバセイボウが産卵してしまったということか。
節足動物の脱皮の失敗はよくある事なのだが、ヤドリバエの羽化失敗はセイボウの干渉を受けたからかも知れない。
この辺りの本当の理由は実際に観察してみるしかない。



      
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 昨年にイラガの繭を採取してヤドリバエには会えた。
しかしイラガイツツバセイボウも見られず、空の繭の謎解きもできなかった。

 で、今年も採取を試みているのだが、イラガの繭がほとんど見られない。
イラガの繭がゼロではないのだが、とても少ない。
落葉した樹木を100本以上は探して得られた繭は、今のところ1個で産卵痕も無し。
イラガイツツバセイボウの実物との出会いは今年もお預けかも。
 


 

  



 



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