フライフィシャー誌2001年4月号春カワゲラの特集で、苅田敏氏がオナシカワゲラの水際羽化の観察例の記事を写真付きで載せています。
それによるとオナシカワゲラの場合には水中から石によじ登り水際で20分も掛けて羽化をするようです。故に波にさらわれたり水面羽化しているように見えてしまったりと。
クロカワゲラの場合は私の観察例から、上陸してから一旦安全な石裏などに退避し時間をおいて羽化に取り掛かると推測できます。故に羽化途中でトラップドになる確率はうんと減ってしまう。風で飛ばされることはあってもハイフロートで水面をパタパタしてスケーティングしていきます。
雑誌等でトラップド状態やスペントの小型カワゲラのフライが紹介してありますが、上記のような生態の違いからオナシカワゲラとしては重要でも、こと根尾川のクロカワゲラとしては余り必要な位置づけにはならないと考えています。
それでアダルトのフライとしては画像のようなボディーハックルを巻いてCDCのウィングを付けただけのありきたりなフライを準備しています。
でも膨大な数がいてもアダルトのフライの出番は余り多くはありません。
暖かくなるとコカゲロウや小型カディスに目が行ってしまうし、岸際には沢山いても水に落ちるのは少ないし、偏食の対象になることも無いし、他の虫が多く流れる中での裏ハッチの役割のようなキーになると認識するような経験が無いのです。
それでも午後の間延びした時間、ハッチも無くライズも無くて眠くなるようなときにクロカワゲラがバタつきながらスケーティングしていってパシャっと食われたりすると人も興奮します。
ライズのあった辺りに画像ののフライを送り込んでパシャッと食わせたりすると「してやったり!」となるのですが余り記憶にありません。
このフライも他の川では結構印象深い思い出も有るんですけどね。
クロカワゲラも産卵は水面で行っているはずなので、いつかはハネオチ状態になります。未だ経験していないだけでスペント系フライが必要と感じる時があるのかも知れません。意外とパタパタ飛んでる時に使ってみると面白いのかもしれません。
クロカワゲラ編、今回で一区切りです。
釣り方としてはライズの前に落としてフライ先行でナチュラルに流すだけ。本物はクネクネ動いてますがそれを水面で真似ようとしても動きが過剰になってしまいます。
沈める釣り方で’動き’に言及されている方も居られます。私は余り沈めて釣ったことが無いのでそれについて触れる事が出来ません。
ニンフの水面流下、他の川では起きているのか?種類によって起きるのか?水温とか水質で変わってくるのか?まだまだ謎が多いです。
そう言えば昨年の事、ライズは少ないのに釣ったアマゴのストマックはクロカワゲラニンフでいっぱいと言うことも有りました。
明らかに大半を水中で食ってる!と思えました。
しばらく水面を見ていたら水面下数センチをクネクネ流れるニンフが多数と言う日もありました。
水面流下をこれほどクドク書きながら、蓋を開けてみたら今年は「水面を流れるニンフなんて1匹も居らん!」なんて事態も考えられます。
落ちとしては笑えないですね、でも自然の事ですからこんな極端なこともありえます。
根尾川2月前半のフライ
次回はユスリカ編を予定しております(早くしないと2月になっちゃうぞ~)。
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